少し前に 「TXNザ・ドキュメンタリー いま助けてほしい -息子介護の時代- 」 というのを放送していました。
冒頭からかなり衝撃的な内容に、正直、こんなときに見て重い気分になりましたが、
厳しい介護の実態に、他人事ではないなぁ(独身の弟が要介護になったら? 自分が要介護になったらどうする?!・・・)と、備えのない自分は恐ろしくなりました。
番組は、フリーライター(当時52歳)野田さん親子の介護の様子から始まりました。
●野田さんは75歳でアルツハイマーになった寝たりきの母親(当時81歳)の介護を始めてもう10年。一人で介護をされています。
その介護生活で仕事もほとんど出来ず、母親の年金で生活されているということでした。
とても優しい顔で細かい介護をされている野田さんですが、 かつて「お酒を飲んで介護していたとき、何かの瞬間にイライラしてきて手が1回出たら止まらなくって、母親を平手で叩いて肋骨を折ってしまった」という。
それ以来、一年間禁酒。 今は1日ミニ缶のビール一杯と決めているという。
野田さん: 「でもなぁ、やっぱり、(介護を)やってないもんじゃないと、気持ちはわかんないっていうところが皆あるんだよな。」
そんな野田さんの部屋には一枚の紙が貼ってある。
「出来ないことは押し付けない! 抱きしめる!」
野田さん: 「開き直らないと息子は介護できないと思うよ。(オムツ交換で)
ん~、・・・・母親の性○を見るのは、ちょっと勇気がいると思うよ。」
・・・・・・・(それは、介護を始めた私には衝撃的な言葉でした。)
野田さんのブログより ~
“ 「もう、ワシを解放してくれえ、ホンマ」
和ちゃん(母)は泣き始めた。 オレは、発狂しそうになる。”
“ 「自由がもう一度欲しくてしかたがない」 無理を承知で書いている。”
※ 野田さんは「野田明宏ネット」というHPで母親の介護生活を日々公開されています。(野田さんのお母様は番組の収録中に天国へ旅立たれました。)
http://www.noda-akihiro.net/index.html
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● 認知症になった父親を1人で介護する息子さん。(確か50代初めだったかと)
介護に追われ、仕事は辞めざるを得なくなってしまった。
認知症の父親は徘徊したり、家の壁を物で壊したり、息子の腕に噛みついたり。
ちょっと目を離すと、タバコの吸殻を飲み物と間違えて飲もうとする。
毎日大量の洗濯物など、休みなく動き回る日々。
せめて月に1回数日間だけでもショートステイを頼みたいが、「楽な状態の人」しか受け入れてくれないという。(目の離せない人だとその人に1人が付きっ切りで居なければならない為)。
その息子さんが言う。
「サポート態勢がない、今がきつい。いま助けてほしい。
お題目とかきれい事はいいから、いま助けてくれよと。」
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● 脳梗塞で倒れ寝たきりの母親の介護に疲れ、殺めてしまった息子さん。(50代)
その息子さんは、寝たきりの母親を喜ばせるために、壁一面に絵を書いていました。
きれいな色で書かれた花火や富士山、そしてお花畑。
そして、毎日びっしり母親の様子をとても細かくノートに書いていました。
(愛情を持って付きっ切りで介護されていた息子さんの様子がわかります。)
最後は母親の痰を取るために、10分おきに吸引。
昼夜問わず、10分おきの吸引。でないと死んでしまうからだと言う。
「眠い、本当にゆっくり眠りたい。」
当初一年だと言われた介護は丸8年。 そして殺めてしまった息子さん。
しかし、長期に渡る献身的な介護を見ていた近所の人たちが嘆願書を提出。
息子さん: 「絶対早まったことをやったら駄目だ。 一生苦しむよ、本当に苦しいから。
介護をしてるのも苦しいかもしれないけど、それ以上の苦しさになっちゃう。」
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今、介護する人の1/3が息子という時代だそうです。
各家族化が進み働く女性が増えた結果、2010年国民生活基礎調査によると主な介護者(同居)の場合、息子の嫁(16.1%) 男性(31.3%)で、男性の介護が急増しているという。そして介護をしていて最も虐待が多いのは息子が親を見ているケースだという。
■ 介護離職(男性)
年間2万5,600人(06年10月~07年9月) ※ 特に働き盛りの介護離職が増えている。
私にも、介護は突然やってきた。
どこかで介護の問題はぼんやり頭の隅にあったけど、元気な父の姿には予想外。
75歳の父はバイトを週に4回ほどしながら、ダンスや温泉旅行をエネルギッシュに楽しんでいた。 それも昨年末まで。
なのに、ガンと告知されて抗がん剤治療を2度(2度目はかなりの量を投与)受けたら、
ほどなくして急変・悪化し、入院。
その入院が1ヶ月間になり、その間に10キロも痩せて、体力も落ちて骨と皮。
歩くのも困難になり、余命10月と言われて、現在自宅介護。
今はオムツで、食事以外はほとんど寝たきり状態。
ほんの10ヶ月前までは元気に動きまわっていたのに、要介護2へと生活が激変。
もしも私が結婚していたり、仕事していたら、どうしていただろう。
40代後半で仕事を辞めざるを得ないのは、その後の人生も大きく変わる。
私はまだまだ楽な介護だけど、いろんな現実を知ると、非常に厳しいと感じました。
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