麻酔をするというのは、「麻酔薬を注射して意識がなくなる事」 という感覚しか持っていなかったかれど、どうやら違っていたようでした。
サイドバーでも紹介している本 『手術室の中へ』 の冒頭から~
『麻酔は手術という外傷によって体にもたらされる苦痛や衝撃を和らげる事ができる。
しかしその反面、麻酔は生きている体のあらゆる機能を落とす医療でもある』 というのです。
どういうことかと言うと、
全身麻酔をすることによって、脳の中枢神経系の機能全体が抑制され、
筋肉は筋弛緩状態になり、呼吸機能も停止、
また心臓ポンプ作用も抑制されて弱まり、重要な臓器が出すホルモンの分泌も抑制される状態に置かれる医療なのだそうです。
麻酔によってそのような状態になった患者さんの全身管理を行うのが麻酔医さんの存在です。
『麻酔医は、いろんな器械からのデータや患者さんの状態を、時々刻々、細かく観察しながら、麻酔や手術によって起こる体の変化を見極め、麻酔をコントロールし、手術に対する患者さんの反応を的確に判断し、適切な対応をする、いわば手術のプロデューサーであり、演出家である』 と、この本の中で書かれています。
読んでみると、まさにそんな感じ!!
この本は一般人向けなので、麻酔と手術に関して初めから終わりまで非常にわかりやすく書かれていますが、それ以外では・・・
手術室の中のこと、
手術後の回復期に起こるかもしれないこと、
手術に関して知っておきたい8つのポイント、
手術をすることになったら医師に聞くこと8つ、
手術室の麻酔医や看護師の仕事のことまで興味深く書かれていていました。
その中で、「へぇ~!!!」と思った話としては・・・
●手術室の中は、夏でも冬でも一定温度と湿度が保たれているということ。
(温度の事はコメントを時々くださるdoraさんがブログに書かれていて知りましたが)
この本に出てくる病院は、摂氏24℃、湿度50%だそうです。
●麻酔のための薬物の代謝を考えると、手術後1週間はその影響を受ける。
代謝を担っている肝臓の機能は術後2~3週間以内は手術の影響下にある
と言ってもいいと、書いてあります。
(びっくりですね!)
著者が「おわりに」で書かれていることは、
『手術に直面した患者さんや家族には、医師から手術や麻酔の方法などについてそれなりに詳しく説明されるが、その説明を正しく理解するための基本的な情報が一般の方には圧倒的に不足している』
『手術や麻酔の必要性と安全性を理解するためには、危険性や問題点もあわせて知る必要があることを強調したかった』 とも書いています。
私もこの本を見つけて読んでみて、あまりに知らなさ過ぎて麻酔を受けていたなぁ~と思いました。
また、患者さんと接する機会が少なく目立つことが少ないけれど、手術中だけでなく、
手術前と後も、麻酔医・手術室看護師さん達には大切な役割があったんだなぁと、この本で知ることができました。
同時に、麻酔医さんの重要性がもっと広く知られる事も必要なのではないかと感じました。
自分の身体が手術という事態になったとき、
また手術に縁がないような人でも、麻酔に関しての知識を知っておけば、
いざ手術になったときに医師からどんな説明を受ければいいか?
どんな質問をすればいいか?
麻酔医さんに自分の体のどんな事を伝えたらいいのか?などもわかります。
きっと、この本で知識を得ているのと、いないのとでは違ってくると思いますよ!
お薦めの2冊めです。
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